ザ・リッツ・カールトン(The Ritz-Carlton)の投稿

ザ・リッツ・カールトン(The Ritz-Carlton)

概要分析

ザ・リッツ・カールトンは世界各地のラグジュアリーホテルを展開する高級ホテルブランドで、Instagramでは92万人を超えるフォロワーを抱える。bioに掲げる『The World According to Ritz-Carlton』の通り、世界中のプロパティから切り取った洗練されたシーンを写真中心に発信し、洗練・上質・静謐というブランドDNAを一貫して表現している。考察として、投稿は派手な販促色を排し、光の質感・建築美・自然・食・人の所作といった『非日常の余白』を主役にすることで、視覚的に『泊まる前から始まる体験』を演出している点が特筆される。差別化ポイントは、世界中の系列ホテルを一つのブランド世界観で束ねる編集力にあり、ロケーションが変わっても色温度・余白・トーンが揺れない統制された画作りでフィードを美術館のように仕上げている。学べることは、ラグジュアリーブランドのSNSは『情報量を増やす』のではなく『削ぎ落として象徴を残す』設計が効くこと、そして1枚の写真で価格や機能ではなく『そこにある時間の質』を伝える視点である。商品訴求より世界観醸成を優先する姿勢は、高単価サービス全般に応用可能だ。

業界内ポジション分析

旅行業界内の規模順位31件中
下位上位 16%(5位 / 31件)上位

旅行業界のフォロワー規模分布(業界平均: 10.6万)

〜1k
2件
〜1万
1件
〜10万
12件
▼ HERE
〜100万
12件
100万+
4件

トンマナの定義

深いブラウンとアイボリーを基調にしたアースカラー×ゴールドの差し色で、ホテル建築・調度品・自然光を主役にした静謐な画作り。写真はミドルトーンを抑えた落ち着いた色温度で統一し、余白を大きく取った構図が美術館の展示のような佇まいを生む。テキスト要素は極小、セリフ体で控えめに添える編集姿勢が、世界44カ国120軒超のプロパティを一つのブランド世界観で束ねる視覚的統制を実現している。

企画の切り口

1

世界各地のプロパティ巡礼

2

料理とテーブルアートの瞬間

3

建築美と光が織りなす空間

企画の詳細分析

1

コンテンツ軸・フォーマット

フィードの主軸はゲストが撮影した写真をリグラムする#RCMemoriesで、自社発信を最小限に抑え「世界中のゲストの思い出アーカイブ」として機能させています。加えてReelsでは各プロパティの決定的瞬間を切り取る「Scenography」発想のシネマティック動画、2023年開始の「I am Ritz-Carlton」ではスタッフ個人の技や情熱を縦型動画で紹介し人材の物語を可視化しています。Mercedes-AMG PETRONAS F1パートナーシップではレースウィークエンドのストーリーズ配信やアーティスト起用のトラベルポスター、Late Checkoutとのアパレル+短編映画コラボ(著名俳優起用のChapter形式)を定期的に織り交ぜ、宿泊とは直接関係のない文化領域への越境投稿を継続しています。

2

競合との差別化

「TikTokトレンドを追わない」という姿勢が象徴的で、バズ狙いの流行フォーマットではなくゲスト体験そのものがオーガニックな口コミ・予約を生む設計を志向しています。Four Seasonsが自社撮影とUGCを織り交ぜて「憧れの富裕層ライフスタイル」を広く訴求し、Marriottが客室・設備の機能訴求に寄るのに対し、Ritz-Carltonはフィードの主導権を実質的にゲストの記憶へ委ね、価格や空室情報に一切触れません。さらにF1・現代アート・ファッションという宿泊外の文化領域と継続的にコラボし、単なる宿泊施設ではなく「ライフスタイルの目的地」としての立ち位置を築いています。

3

エンゲージメント設計

「Leave Better」キャンペーンに象徴されるように、プールサイドで寛ぐ客の様子を直接見せるのではなく、蕾が花開く、卵から鳥がかえる、貝から真珠が現れるといった変容のメタファー映像で「滞在がもたらす内面の変化」を抽象的に描きます。写真は自然光・建築ディテール・所作といった被写体を静謐なトーンで捉え、コピーも「How will a stay leave you?」のように問いかけ調で、価格訴求や設備列挙を避け、記憶・感情・変容という言葉を軸に統一しています。構図は俯瞰の全景よりも人物や手元に寄った親密な距離感を好みます。

4

業界課題へのアプローチ

中核施策は#RCMemoriesハッシュタグでゲスト投稿を収集し、公式サイトの「Your Memories」ポータルとも連動させて再露出する仕組みで、投稿は運用チームが審査・厳選してから採用しています。過去には「Six Word Wows」という6語でゲスト体験を語らせる企画も展開。旅行写真家Trey Ratcliffとの「80 Stays Around the World」や2022年開始の公式アーティストパートナー制度など、単発の投稿依頼ではなく複数年にわたる継続的なクリエイター起用が特徴です。「I am Ritz-Carlton」はスタッフを主役にすることで従業員エンゲージメントや採用ブランディングにも波及しています。

5

代理店が学べる示唆

自社の投稿枠を「ゲストの記憶」に明け渡す発想は他業種でも応用可能で、ブランド専用ハッシュタグを設け、投稿を審査した上で自社サイト・SNS双方で再掲する仕組みを作れば、低コストで質の高いUGCアーカイブが構築できます。加えて、値引きや商品スペックではなく「体験がもたらす変化」を言葉と映像で語ること、一過性の企業案件ではなく特定のクリエイターやブランドと複数年・複数章にわたり関係を育てること、そして従業員自身をコンテンツの主役に据えて内外に物語を発信することも、業種を問わず再現しやすい打ち手です。 Sources: - [#RCMemories of The Ritz-Carlton – Shorty Awards](https://shortyawards.com/8th/rcmemories-of-the-ritz-carlton) - [The Ritz-Carlton Expands #RCMemories Initiative – Hotelier Magazine](https://www.hoteliermagazine.com/ritz-carlton-expands-rcmemories-initiative/) - [The Ritz-Carlton aggregates UGC to scale memories campaign – Luxury Daily](https://www.luxurydaily.com/the-ritz-carlton-aggregates-ugc-to-scale-memories-campaign/) - [Ritz-Carlton Gets Social With "Six Word Wows" – ClickZ](https://clickz.com/ritz-carlton-gets-social-with-six-word-wows/) - [The Ritz-Carlton x Mercedes-AMG Petronas F1 Team – Shorty Awards](https://shortyawards.com/16th/the-ritz-carlton-mercedes-amg-petronas-formula-one-team-partnership) - [The Ritz-Carlton and Mercedes-AMG Petronas Ride Together in F1 – Robb Report](https://robbreport.com/motors/cars/ritz-carlton-mercedes-amg-petronas-formula-lewis-hamilton-1234647749/) - [Late Checkout: A Ritz-Carlton Story – Shorty Awards](https://shortyawards.com/17th/late-checkout-a-ritz-carlton-story) - [Josh Hutcherson Checks in for Chapter Two – Hollywood Reporter](https://www.hollywoodreporter.com/lifestyle/shopping/ritz-carlton-late-checkout-collab-two-2025-josh-hutcherson-1236429109/) - [The Ritz-Carlton and Late Checkout Unveil Chapter Two – PR Newswire](https://www.prnewswire.com/news-releases/the-ritz-carlton-and-late-checkout-unveil-chapter-two-of-their-award-winning-collaboration-302618439.html) - [The Ritz-Carlton — Signature Video Series – Shorty Awards](https://shortyawards.com/15th/the-ritz-carlton-signature-video-series) - [I am Ritz-Carlton – Shorty Awards](https://shortyawards.com/16th/campaignthe-ritz-carlton-i-am-ritz-carlton) - [I Am Ritz-Carlton – Ritz-Carlton公式](https://www.ritzcarlton.com/en/about-the-ritz-carlton/i-am-ritz-carlton/) - [Ritz-Carlton artfully depicts guests' self-enrichment journeys in brand refresh – Marketing Dive](https://www.marketingdive.com/news/ritz-carlton-brand-refresh-luxury-hospitality-marketing/694899/) - [The Ritz-Carlton's "Leave Better" campaign – Luxury Daily](https://www.luxurydaily.com/ritz-carlton-revels-in-travels-transformative-power-with-leave-better/) - [Not Your Mother's Ritz-Carlton: Inside The Brand's Dynamic Refresh – Forbes](https://www.forbes.com/sites/carolinetell/2023/10/09/not-your-mothers-ritz-carltons-inside-the-brands-dynamic-refresh/) - [The Ritz-Carlton Influencer Strategy – Shorty Awards](https://shortyawards.com/18th/the-ritz-carlton-influencer-strategy) - [80 Stays Around the World – Shorty Awards](https://shortyawards.com/10th/80-stays-around-the-world-3)

運用のポイント

1

世界各地の系列を統一トーンで束ねる編集統制

2

販促文言を抑え光と余白で上質さを伝える

3

建築・食・自然を象徴的に切り取る構図設計

運用の遍歴

ザ・リッツ・カールトンのInstagram運用は、ブランドが2010年代前半に本格的にSNSへ参入した黎明期から現在まで、一貫して『世界観の一冊化』というラグジュアリーホテル特有の編集思想を貫いてきたと推測される。

1

運用フェーズの変遷

初期フェーズではプロパティごとの紹介投稿が中心で、各ホテルの公式アカウント(@ritzcarltontokyo等)と本アカウントの役割分担が曖昧だった時期があったと推測される。中期には系列ホテルから上がってくる素材を本部編集チームが選別し色調を整える『キュレーション型』へと移行、現在は『The World According to Ritz-Carlton』という統一フィロソフィーのもと、世界44カ国120軒超のプロパティを一つの美術館的フィードに束ねる完成形に至っている。

2

過去の試行錯誤

過去にはストーリーズハイライトでの体験パッケージ紹介、リール初期のチャレンジ参加型企画なども試行された可能性が高いが、ブランド毀損リスクを回避するため早期に淘汰され、現在の『単発静止画9割+シネマティック短尺リール』というミニマル構成に収束したと考えられる。

3

業界内のタイミング

同業界比較では、マリオット系列内では世界観統制の徹底が早く、フォーシーズンズやアマンが追随する手本になった一方、リール本格活用やショート動画への移行はブランド慎重姿勢ゆえに遅めだった印象がある。インフルエンサータイアップやUGCリポストも競合より控えめで、『情報量より象徴性』を優先する姿勢を崩さなかった点が特徴的。

4

現在に残る継続テーマ

現在の運用にも残る名残として、セリフ体の控えめなテキスト処理、ロケーション情報を最小限に留める『ヒント型キャプション』、深いブラウン×アイボリーのアースカラー基調は開設当初から継続するブランドアセットと推測される。販促色を排しトップオブファネルに徹する役割分担も初期から一貫しており、SNSを『憧れ醸成装置』として純化させる思想は10年以上ブレていない点が、このアカウント最大の歴史的資産といえる。

アカウント情報

Instagram旅行高級感

フォロワー

92.3万

平均いいね

5,156

平均コメント

103

元アカウントを見るデータ取得日: 2026年9月4日
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