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DIESELの日本公式アカウント。bio「Discover The Royal D, Diesel 2026 Denim Campaign」が示す通り、デニムを核としたシーズンキャンペーン軸の発信が中心。グローバルブランドの世界観をそのまま日本市場へ橋渡しする役割を担い、単なる商品カタログではなく、キャンペーンビジュアル・ルックブック・アーティストやモデルとのコラボレーションを通じてブランドの「ラグジュアリーかつ反骨的」なアイデンティティを表現している。アパレル業界では商品訴求に偏りがちな中、DIESELはコレクションごとに統一されたアートディレクションを敷き、フィード全体を一つの作品集のように構築。投稿数2708件・フォロワー346万という規模感が示すように、長期にわたる世界観の積層がブランド資産化している点が、フォロワー獲得と他ブランドとの差別化に直結している。
アパレル業界のフォロワー規模分布(業界平均: 37.6万)
ブラック・インディゴ・スモーキーグレーを基調に、ハイコントラストな照明と粒子感あるフィルム調レタッチで官能性と硬質さを両立。タイポは細身サンセリフ大文字組みを多用し、ロゴと「D」マークを画面の主役に据える構成。被写体はモデルの汗・肌・デニムの繊維まで写すマクロカット中心で、編集はキャンペーン単位でアートディレクションが厳密に統一され、フィード全体が一冊のルックブックとして成立する。
新作デニムコレクションのキャンペーンビジュアル
アーティスト・モデル・著名人とのコラボレーション
ランウェイ・ショー・ポップアップなどブランドイベント
渋谷本店を含む個店アカウント(@shibuya_dieselstore、@osaka_dieselstore、@lucua_dieselstore、@fukuoka_dieselstoreなど)が、1F新作デニムの平置きやスタッフ試着リール、B1Fアップサイクルラボでの90年代デッドストックデニム紹介・裾上げ/リペア実演動画、DIESEL ART GALLERYの展示告知、Cucina Diesel Farmの季節メニュー紹介など、店舗機能ごとに投稿ジャンルを分担。本社系の公式サイトDIESEL NEWSでは「ディーゼルライブラリー」のクリエイターポートレート企画やコムドットやまとのミラノ密着動画、FF14コラボビジュアルを編集コンテンツとして展開する二層構造になっている。
Levi's Japanの単一アカウント集約型、Acne StudiosやDior Japanのショー・セレブリティ中心の一元発信と異なり、DIESELは渋谷本店を筆頭に大阪・LUCUA・福岡など個店アカウント網を維持し、本社ではなく店舗現場が自ら更新する分散運用を徹底している。加えて店舗自体を物販・アップサイクル・ギャラリー・飲食(Cucina Diesel Farm)が同居する複合体験メディアとして設計し、FF14コラボのようなファッション×ゲーム×アート×コミュニティ横断企画を伊勢丹新宿や阪急うめだなど全国のデパート催事と連動させる展開力は他社にない特徴である。
Glenn Martens体制下のY2K的グランジとハイファッションの融合を軸に、写真は店舗什器やデッドストックデニムの質感を生かした加工感の薄いリアルな平置き・スナップ調が中心。言葉遣いはアイロニーと遊び心を残した口語的キャプションで、色はデニムのインディゴやアップサイクル素材の経年変化を生かしたアースカラーを基調とする。店舗ビジュアルは工業的・倉庫的な無骨さと、アートギャラリーのホワイトキューブ的な余白を対比させる構図で、「量産品ではない一点物」感を写真単体からも伝える設計になっている。
アップサイクルラボでの裾上げ・リペア実演動画や持ち込みリペアサービスの紹介は、来店・体験・投稿という行動導線を店舗アカウント自身が作る仕組みになっている。コムドットやまとのようなYouTuberのミラノ招待密着コンテンツやFF14とのIP協業は、ブランドのファン層とは異なるコミュニティを店舗イベントやポップアップに呼び込む装置として機能する。各店舗のインストアDJイベントやオープニングイベントもInstagramストーリーズで告知・アーカイブされ、店舗単位のローカルコミュニティ形成に寄与している。
単一の完成されたブランドアカウントに情報を集約するのではなく、店舗ごとにアカウントを分け、各店が持つ機能(修理・アップサイクル・飲食・ギャラリーなど)を切り口に投稿ジャンルを分担させる運用体制は、複数店舗を持つ小売・アパレル事業者がそのまま応用できる。また本社発の大型コラボ企画(IP協業やポートレート企画)をデパート催事や個店アカウントの投稿へ連動させ、全国のリアル接点と結びつける展開方法も、単一アカウント運用からの脱却を検討する企業にとって参考になる具体的な設計である。
シーズンキャンペーンを軸にフィード全体をアートブック化し、世界観を一貫させている
デニムというコアプロダクトを軸に、コラボ・カルチャー・ファッションへ多面展開している
グローバル本国のクリエイティブを踏襲しつつ日本語コピーで親近感を担保している
DIESELのInstagram運用は、推測を含めて4つのフェーズで変遷したと考えられる。第1期(2012〜2015頃)はグローバル本社のキャンペーン素材を日本語キャプションで転載する『翻訳運用』フェーズ。レンツォ・ロッソ体制下の挑発的広告(Be Stupid、Diesel Reboot)を日本向けに紹介する中継地点だった可能性が高い。第2期(2016〜2018頃)はNicola Formichetti退任後のブランド再構築期で、グレン・マーティンス就任(2020)前夜のアイデンティティ模索を反映し、商品単発投稿やキャンペーン断片の混在期だったと推測される。第3期(2020〜2022頃)はマーティンス体制でストリート/Y2K回帰と同期し、Bella HadidやTommy Cashら起用のバイラル設計に転換。第4期(2023〜現在)が現行の『シーズンキャンペーン完全連動・フィード=ルックブック』運用で、四半期単位のアートディレクション同期が確立した。
過去はおそらく『商品単品+価格』『ストア新規開店』『コラボ告知の単発』といったアパレル業界標準の投稿を試行していたが、世界観毀損とエンゲージ低下を経験し、現在はそれらをストーリーズ/ハイライトへ完全分離する判断に至ったと推測される。リールも初期は商品ハウツー的だった可能性があるが、現在はキャンペーンフィルムの抜粋・音響主役の短尺映像へ純化された。
同業界比較では、ラグジュアリー勢(Dior、Gucci)のフィード作品集化トレンドへの追随は『中庸〜やや早い』水準。一方でリール本格活用(2021〜)はZARA・H&Mなどマス勢より遅く、TikTok連動やUGC施策はUNIQLOや無印に比べ明確に遅い。日本のインフルエンサー起用も限定的で、グローバル基準の有名モデル中心という点で『ローカライズが遅い』運用と言える。
現在も残る過去の名残として、Diesel伝統の『性的・反骨的・サブカル記号』を排除せず継承している点(2000年代Be Stupid期のDNA)、ロゴ・Dマークを画面主役に据えるタイポ設計(80〜90年代ブランディング遺産)、コーデ解説を一切排除する『ブランドが客を選ぶ』姿勢(レンツォ・ロッソ哲学)が継続テーマとして明確に残存している。
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