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大手ハウスメーカー積水ハウスの公式アカウント。「家に帰れば、積水ハウス」というブランドコピーを軸に、オーナー宅の実例と展示場を主役に据えた住まい提案型運用が特徴。商品スペックや価格訴求ではなく、住まいによって育まれる家族の暮らしや幸福感という情緒的価値を中心に据えることで、検討フェーズの長い住宅購入におけるブランド純粋想起の獲得を狙っている。ハッシュタグ#積水ハウスファミリーによるオーナー投稿の引用許諾を明示し、UGCを取り込む循環を設計している点も実需業界での好例。問い合わせは公式HPに集約し、Instagramは認知・憧れ形成・指名検索の起点として明確に役割分担している運用設計が見える。フォロワー約16.5万、投稿921件、認証バッジ取得という規模感は、住宅業界トップクラスの公式アカウントポジションを示す。
不動産業界のフォロワー規模分布(業界平均: 7.3万)
自然光を活かした柔らかい温度感のある写真が基調で、木目・白壁・植栽のグリーンが画面の主役。家族の後ろ姿や暮らしの一瞬を切り取った生活感のあるカット、明朝体に近い細身フォントの控えめなテキスト、彩度を抑えた落ち着いた色設計で「上質な日常」を演出。広告然とせず、住宅雑誌のような編集トーンに統一されている。
オーナー邸のインテリア・間取り実例紹介
全国の展示場・モデルハウスのビジュアル訴求
家族の暮らしのワンシーンを切り取った情緒的カット
コンテンツの軸は『家に帰れば、積水ハウス』というブランドコピーを起点に、実オーナー宅の暮らしカットと展示場・モデルハウス紹介の二系統で構成される。スペック解説や坪単価訴求は徹底排除し、リビングの夕景、子どもと過ごす休日、庭での団欒など『そこに住む人の幸福感』を切り取った情緒訴求型のフォーマットに振り切っている。カルーセルでは1枚目に引きの外観・主役カット、2枚目以降に間取りの工夫やディテールを配し、読み物的に成立させる構成が定型化している。
競合のハウスメーカー公式アカウントが新商品・キャンペーン・価格訴求の即時CVに寄りがちな中、積水ハウスは『憧れ形成と指名検索の起点』へ役割を明確に絞っている点が差別化ポイント。問い合わせCTAをプロフィールHP一本に集約し、フィードでは販促色を出さない潔さが、ブランド純粋想起の上位獲得につながっている。
エンゲージメント設計では#積水ハウスファミリーをハブにしたUGC循環が肝で、オーナー投稿の引用許諾をプロフィールで明示することで投稿コストを抑えつつコンテンツ供給を担保。検討期間が長く即レスポンスを得にくい住宅領域において、保存・シェアされやすい『暮らしの理想像』を量産する戦略でアルゴリズム適合性を高めている。
住宅業界特有の『高単価×長期検討×ライフイベント依存』という課題に対し、購入直前層への刈り取りではなく、結婚・出産・転勤などライフイベントが訪れたときに第一想起されるブランド資産を時間をかけて積み上げるアプローチを取る。情緒価値の蓄積こそが最終的な来場予約に効くという確信に基づく設計。
代理店への示唆は、検討フェーズの長い高関与商材ではフィードを販促チャネルにせずブランドメディア化する勇気、UGCをハッシュタグ運用で資産化する仕組み設計、そしてKPIをフォロワー数やCVではなく『指名検索数・来場予約への寄与』に置き直す覚悟。短期成果に追われがちな運用代行において、長期ブランド資産形成型のKPI設計と提案ロジックを学べる好例である。
オーナー実例を主役にした「実際の暮らし」訴求で検討層の解像度を上げている
#積水ハウスファミリー によるUGC設計でファン投稿を運用導線に組み込んでいる
問い合わせを公式HPに集約しIGを認知・憧れ形成の入り口に役割特化させている
積水ハウスのInstagram運用は、住宅業界全体のSNS活用が本格化した2015年前後に開設されたと推測され、初期は新商品(イズ・ロイエ、シャーウッド等)や住宅展示場のイベント告知を中心とした『広報媒体の延長』としての運用だった可能性が高い。当時の大手ハウスメーカー公式アカウントに共通していた『チラシをそのまま画像化したような販促ポスト』『キャンペーン告知の連投』というフォーマットを経由しているものと推測される。その後、2018〜2020年頃に住宅業界全体で『カタログ的運用ではフォロワーが伸びない』という気づきが広がる中で、積水ハウスはいち早くオーナー宅の実例写真へと軸足を移したと見られ、特に#積水ハウスファミリーというハッシュタグを設計してUGCを資産化する仕組みに踏み切った点は、競合の住友林業・大和ハウス・一条工務店と比べてもブランドメディア化への移行が早かった部類に入る。一方で、リール動画やショート尺コンテンツへの本格対応は他業界と比べてやや遅く、現在も静止画カルーセルが主軸である点は『住宅の質感は静止画の編集トーンでこそ伝わる』という哲学的判断と、リール量産が情緒価値の希釈につながるという懸念の表れと推測される。過去の試行錯誤の名残として、現在もたまに見られる展示場・モデルハウス紹介の投稿は『広報部主導の初期運用の継続テーマ』であり、オーナー実例ポストと併存することで『憧れ(理想像)』と『接点(来場予約への導線)』のバランスを保つ役割を担っている。『家に帰れば、積水ハウス』という1988年から続く長寿コーポレートメッセージをSNS時代に翻訳し直したのが現在の運用スタイルであり、テレビCM時代から一貫する『住まいによる家族の幸福』という情緒訴求の系譜が、媒体を変えながらもブレずに継続している点が、このアカウントの歴史的な強さの本質と言える。
フォロワー
16.5万